2019/01/28
スタイリッシュな型紙のスーツを2万~4万円台で扱うショップを総称し、これらのブランドは「ツープライススーツ量販店」と呼ばれています。
THE SUIT COMPANY、SUIT SELECT、P.S.FA、オリヒカ、ONLYなど、20~40代のビジネスマンであれば一度は利用した経験があるのではないでしょうか。
各社それぞれ特徴はありますが、いずれもリーズナブルでありながらスタイリッシュなビジネスアイテムを扱っています。それでも、選び方を間違え残念に見えているビジネスマンが一定数いることも事実です。
『毎朝、迷わない! ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』の著者、森井良行が「ツープライススーツ量販店でやりがちなNGポイント」をお伝えします。
サイズ表記をうのみにしてはいけないワケ
「あれっ、いつもと同じサイズなのにちょっと窮屈な気がする」
「ちょっと太ったかな?」
こんな経験ありませんか。その理由は太ったからではなく、いつも選んでいるジャケットと型紙が違う可能性が高いのです。「型紙」とはスーツの設計図と言われ、これによって同じサイズ感であったとしても、その仕上がりは微妙に変わります。
ツープライススーツ量販店で扱っているジャケット・スーツは必ずしも同じ工場でつくっているわけではなく、複数の工場で作られています。
そもそも同じウール生地であっても「生地の厚み」や「混紡の素材」によって、ジャケットの着心地や伸縮性も変わります。サイズ表記はあくまで目安であって、鵜呑みにしないということが重要です。
「ジャケットは肩で着る!」という言葉の通り、スーツ・ジャケットを試着において、サイズ感が重要だからです。S/M/Lというようにサイズ単位が1方向のカジュアル服とはちがい、スーツショップは「身長」×「体形」というように縦横の掛け算でサイズが決まります。
この事実からも分かるように、ビジネスファッションではカジュアル以上にサイズ感が重要だというワケなのです。サイズ表記は目安であり、試着で感じた直観を信じましょう!
アイテムを台無しにしてしまう裾上げの誤解
人は、まったく新しいデザインより、見慣れたデザインを選びます。服に興味がない男性の多くはその傾向が顕著です。だからこそ、裾上げではいつものパンツ丈を選びがち! 働き盛りの30~40代のビジネスマンが青春時代を過ごした90年代から00年代初頭、パンツ丈の基本は長めでした。
ところが、00年代からこの流れが変わり、現在ではカジュアルのみならずビジネスファッションにおいても、短めのパンツ丈が基本なのです。
とはいえ、ビジネスファッションで短すぎるワケにもいきません。私が推奨するパンツ丈は立っている状態でギリギリソックスが見えない、座った時は裾が上がりソックスが見える程度です。
秋冬のフランネルスーツ(THE SUIT COMPANY)、
パンツ丈はソックスが見えないよう短めに合わせるのがベスト
というのも、スラックスの余った布が革靴に覆いかぶさる見栄えは印象としてキレイなものではないからです。ダブついた弛みは不要な生活感を生むとともにオジサンに見える原因のひとつではないでしょうか。
なぜ、数あるアイテムからそれを選んでしまうのか?
義務教育で服を学ぶという文化はありませんから、服の知識水準は個人によるところが大きいワケです。学生時代、ファッションに興味をもったグループはひたすらおしゃれを追求し、そうではなかったグループは何となく着ています。
服の種類によって、実はアイテムの相性があることは意外と知られていません。たとえば、光沢感が強いスーツに光沢ある滑らかな質感のネクタイは似合いますが、必ずしも光沢感を追求しないジャケット&パンツにおいては滑らかな質感のネクタイは合わないのです。
これは服の食べ合わせのようなもので、私は「着合わせ」と呼んでいます。この着合わせを意図することでツープライススーツ量販店を上手に活かせることでしょう!