2019/01/28
ひそかに悩む女性の多い、便秘。とくに美容面での悪影響は大きく、便秘が続いたせいで肌が荒れた経験のある人は多いのではないでしょうか? おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎先生に、便秘の悪影響について教えていただきました。
そもそも、女性に便秘が多いと言われる理由はなぜなのでしょうか?
「女性に便秘が多いのは、まず女性ホルモンの影響があります。生理前に出る黄体ホルモンには、便を硬くする性質があります。生理前になると便秘に悩まされる女性が多いのは、そのせいですね。さらに女性は男性に比べて筋力が弱いので、排便に必要な腸または腸周辺の筋肉を動かしにくいのも理由です。
また、ダイエットをする女性も要注意。食事量を減らすことで、腸にとって大事な食物繊維量も減らしてしまい、便秘に陥るケースもあります」(大竹先生)
女性には、自覚はなくても実は便秘という「隠れ便秘」が非常に多いとのこと。毎日出る人や、一日に何度も出る人でも、お腹の張りや残便感、痛みなどがある場合、便秘の疑いがあるそうです。
便秘は肌だけでなく、心にも影響を及ぼすことも!
「腸内環境と肌の状態を尋ねたアンケート調査があり、そこで便秘持ちの人は、ニキビや吹出物が出やすかったという結果が出ています。腸内環境が悪いということはつまり、腸内で悪玉菌が優勢だということ。悪玉菌が作った悪い物質は、血液に入って全身を回っていくため、肌にも悪影響を及ぼすのです」(大竹先生)
腸内環境は、私たちが感じるストレス度合いにも影響を与えているそう。
「アンケート調査から、腸内環境が悪いとストレスを感じやすくなることがわかっています。さらに、阪神淡路大震災のとき、ちょうど腸内細菌のことを調べていたチームが被災したことから、被災等のストレスによって悪玉菌が増えることもわかりました。
怒りを感じたとき『腸(はらわた)が煮えくり返る』『腹が立つ』と言いますよね。昔から日本人は感覚的に、怒りなどのストレスを感じたときに腸に異常をきたすことを、経験から知っていたように思います」(大竹先生)