2019/01/28
厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」から算出すると、40代会社員の年収上位10%は943万円以上。このゾーンにはどんな格差があるのか、覗いてみた。
「大学の友人と比べたら、恵まれてると思います。ただ、僕のいる階層では劣等感しかありません」
水谷敏夫さん(仮名・41歳)は年収1200万円。年末はマカオのカジノ旅行に誘われている。「小さい男だと思われるのがイヤで、ついつい大金を使っちゃうんですよね」
そう語るのは大手広告代理店に勤め、年収1200万円を稼ぐ水谷敏夫さん(仮名・41歳)。白金台の高級タワーマンションに住み、週末には六本木、西麻布で丸の内OLやモデル女子との合コンに明け暮れる、絵に描いたような“港区おじさん”だ。
「可処分所得が月50万円を超えると、欲しいものはほぼ我慢せずに手に入れることができます。ただ、僕が足を運ぶ場所にはベンチャー社長やら外銀(外資系投資銀行)で年収3000万円稼ぐ奴とか、労働意欲を根こそぎ奪うようなモンスターがゴロゴロいます。会話は車、時計、マイル、そして愛人の話がメイン。負けじと張り合って年会費15万円のダイナースのカードを持ちましたが、合コン後に強制参加の“お会計カードシャッフル”で負けて80万円近く支払ったときには、作り笑顔を崩さないようにするので精いっぱいでした」
高年収でも貯金はほぼゼロ。他の社長連中は既婚子持ちだが、水谷さんは「結婚したらこの階級で一緒に遊べない」と独身を貫く。クラスタの中で最も低収入の人間が最も不幸という格差の好例だ。